恵友会とは
 
                                                                                        新しい年を迎えて                                        

 明けましておめでとうございます。
昨年の4月より理事長に就任し、初めて迎える新年はお天気にも恵まれ、澄んだ空気の中から新しいエネルギーを吸い込み新鮮な気持ちでスタートする事ができました。今年も恵友会の活動にご理解、ご指導いただきますようお願い申し上げます。

 昨年末の朝日新聞夕刊の「私の物語をたどって」というシリーズの1回目に登場したのが2017年12月に中区自支協精神部会でご講演いただいた分子生物学者で精神科医の糸川昌成氏でした。ご自分のお母様が統合失調症であったことを話され印象に残っていました。「故郷から離れて嫁ぎ、銀行員で夜中まで帰らない夫の背広とカバンをハサミで切り、赤い傘を持たせたのはそれらがなければ会社には行けないだろう。どうしても行くのなら私の傘を連れて行って。そんな切なさがあったのではないか。」と「症状には意味がある」ことを書かれていました。
 利用者の中に大声をだして威嚇される方がいます。いつもは穏やかなのに突然大声をだすので職員ですら「怖い」と思うくらいです。なぜ、大声をだすのか?丁寧に話を聞いてみると体調不良や失禁のいらつき、作業所の旅行に行くことの不安や緊張を適切な言葉で表現できず大声で表していたことが分かってきました。「症状には意味がある」ことでご本人の理解につながりました。
 連載はその後平昌オリンピックのカーリング銅メダリストの吉田知那美さん、べてるの家の向谷地生良さんや川村敏明医師に引き継がれていきます。
 吉田選手はご自分の競技経験から「絶望した経験が自信になり、希望になってゆく。必死に自分を見つけようとするから絶望するし、エネルギーがある。絶望しても安心して生きて行けるんだ。」と述べています。べてるの家では精神障害者の方をその当事者研究から「切なくて愛すべき人達」ととらえ、「とんでもない絶望から生まれたユーモアと希望、どん底から反転して大笑いする。」と生き方を承認しています。
 私の周りにも「こんな病気になって...」「今まで何をやってもダメな人生でした」と自己評価が低い利用者さんが沢山います。でも必ずキラッと輝くところを持っているのです。誰にも促されずに「ありがとうございます」とお礼が言える品性を持っているとか。引きこもりがちだった方が、大勢が集まるミーティングに出てみようとチャレンジする姿等輝くものが見える場面に出会ってきました。4月から私はそんな小さなキラッに「素晴らしい」という言葉を連発しています。
 弱さとは決して劣った物ではなく、その弱さをさらけ出すことで「あぁ、あの人にも弱いところがあるんだ」と安心したり、「あの人の弱くて苦しんでいる話を聞いてみようか」支えるきっかけを感じ、人と人をつなげていくものだと思います。
 12月23日に南区生活支援センターで冬の集いがありました。その中でギターの演奏をして下さった利用者さんがその終わりに「希望は絶望の分かち合いです」とおっしゃったのです。自分を知り、自分の生き方・在り方を腑に落ちたものとしていくことの中に回復があり、希望が見えてくることに私自身が気付く毎日です。
 「弱くたっていいじゃない」と言って、「安心して絶望できる人生」のそばにいつもいられる支援者の集まりが「恵友会」でありたいと新年に向け、決意を新たにしました。
                                         

     
         平成311月 吉日

 

                                   理事長 坂口 育子

 

 


 
 恵友会は、こころを病む人々と共に安全に安心して暮らせる社会づくりを目指します
 
 多様な福祉サービスが、その利用者の意向を尊重して、総合的に提供されるよう創意工夫することによ  り利用者が個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援する ことを目的としています。
 

 1.高い倫理観、連携・一体感を持って利用者が安全・安心して利用でき、信頼できる運営を目指します

 2.利用者の希望や考えを尊重し、自立へのきっかけを提供します

 3.質の高いサービスの提供に向けて研鑽します

 4.精神障害者の地域生活に必要な新たなニーズへの先駆的対応を図り、地域保健福祉の拠点としての
   役割を担います

 

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